鈴木

さっき話した常連さんの逸話があって。
その人は昔、コールマンが1930年代に製造した（であろう）古い ツーバーナーを愛用品としてアメリカ本社に持っていったら、「お前、コレを使っているのか」って驚かれたらしい。

佐久間

え、そんなに古いやつを持ってたってことですか？

鈴木

そう。それくらい道具を修理したり、こだわりのある道具を大事に使われていて、やっぱりいいものはずっと使えるんだなぁとその常連キャンパーさんを見て思ったの。
それ以来かな。買うならそれなりに金額が高くても、良いものを買いたいって思うようになったのは。

佐久間

キャンプ道具は特に、良い物は本当に長く使えますもんね。

鈴木

そうだね。コールマンのランタンやツーバーナーはもう何十年も構造が変わってないから、パーツさえ交換できれば何十年と使えるものもたくさんあるし。

佐久間

それもまたすごいですよね。以前、その話を聞いてから、ガソリン器具に興味が湧いて、それ以来ランタンはガソリンランタンですもん。

鈴木

まぁね。いざという時はやっぱりホワイトガソリンかなーっと。寒くても使えるし、多少雑に扱っても壊れることはないしね。

佐久間

火力も強い。ただ、古いものは見極めが難しいですよね。

鈴木

まぁそりゃ時間かかるよ。道具の見極めは。それは何もビンテージ系の道具に限らず。

佐久間

いきなりは難しい。

鈴木

もちろん、僕だって最初はわからなかったよ。始めたばっかりの頃は、たくさん失敗もして、でも徐々に、これは自分にとって必要な道具なのかっとか、いい道具なのかってのは見極められるようになってくるよ。
あとは、お客さんが教えてくれることもたくさんあるね。

佐久間

キャンパーさんが、ですか？

鈴木

そう。いくら自分もキャンパーだからって全部買えるわけでもないし、新しいもの全てに追いつくわけでもないじゃん。
ただ、お客さんはほら、それぞれで最新の物とか、お気に入りの物を持ってくるから。そこで色んな話をしながら道具を知っていったよ。

佐久間

たしかに。キャンパーそれぞれのお気に入り道具や最新の道具が見れますね。

鈴木

テントを張ってる実物を見られるのは、やっぱりキャンプ場なわけで。今は少しずつ店舗での展示も増えているんだろうけど、やっぱりフィールドで見るのとはちょっと違うと思うんだよ。

佐久間

キャンプ場って当たり前ですけどキャンプ道具を使う場所ですよね、本当に。

鈴木

そう。展示会とかで見るものともちょっと違うし、実際に使っている人から話も聞けるし。

佐久間

キャンプ場は、キャンプ道具もキャンパーも輝く場所！！

鈴木

そうですよ、フィールドですから。
お店で買ってもそのまま家では使えないし、週末にここに来て初めて道具が息をすると言うか。そこから道具の命が始まるみたいなもんだよね。

佐久間

本当、そのとおりですね。キャンプ場で使ってから、道具が息をし始める。

鈴木

それに今は道具の種類がものすごく増えたよね。昔は女性用の道具とかなかったし、ほぼファミリー向けの道具ばっかで、ソロは山用の道具とほぼイコールだったし。

佐久間

道具の多様化ってことですかね。

鈴木

そうかな。それが今やソロはこれ、ファミリーはこれって各メーカーさんが揃えてくれているもんな。

佐久間

選ぶのが楽しいです。アレは必要かな、どうかなって。その時間もキャンプを楽しんでる時間とも言えます。

鈴木

そうだねー。選んでる瞬間もキャンプの楽しみの1つだよね。あとは季節によっても道具は変わるだろうし。 夏はオープンタープにBBQで、冬はツールームで焚き火系を重視してっとか。

佐久間

1人が持つ道具の数が増えているってことですかね？そういえば僕、なんでかシングルバーナーをたくさん持ってます。あとは、スキレットもサイズ違いで持ってますし。シェラカップは10個くらいあるな（笑）

鈴木

キャンプ場を経営してて感じるのは、1人当たりのキャンプの回数が増えてるよ、きっと。

佐久間

ファミリーで行くときもあれば、親父1人でソロキャンプする時もあるはずですもんね。

たまに親父さんとお子さんだけでキャンプを楽しんでる姿をみるんですが、話しを聞くと「妻は妻で好きなことをしてゆっくりしてもらえるから、これはこれで我が家のスタイルなんです」って話してました。なんだかほっこりとした気持ちになりましたね。

鈴木

そうそう、色んなスタイルのキャンプがあっていいと思うんだよ。
それで「もうこのキャンプのスタイルはやらないよ」ってなったとき、それこそ中古で売るってことも選択肢としてあるだろうし。

佐久間

たしかに。それで、新しい人がそのスタイルに行き着いた時に、中古で買うってこともありますよね。

鈴木

うん。特に燃焼系の器具なんかは使えるならば中古でも全然構わないと思うんだよ。さっきも言ったように良い物は長く使えるから。

佐久間

そこが肝ですよね。それはすなわち、良い物だからずっと持っているのもいいし、逆にまだ使えるんだったら売ってしまってもいいんですよね。

鈴木

そう。それで受け継がれていって価値が長く続いていくのさ。使い込んでいる道具のほうが愛着も湧いてくるし。

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